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場所と場はべつもの。大切にすべきなのは?
NPOや市民活動団体のもっともよくある悩みは、
「活動の場所がない」というものだそうです。
みなさんは、活動の場をどう考えていますか?
自前の場所を保有したり賃貸するとなれば、
事務所であれ、運動場であれ、
一軒家であれ、店舗物件であれ、
どれもこれも高コスト!
その場所が持てないから、活動が出来ない…と。
でも、それは本当に正しいのでしょうか?
「場所」と「場」は、まったくの別物です。
「場所」は、地図上に座標で示せる地点のこと。
そこには広場があったり、施設があったりします。
それでは「場」とはなんでしょう?
ちょっとイメージしてみてください…。
気が置けない仲のいい友だちどうしで集まると、
リラックスした雰囲気が出来ます。
そのメンバーだからこそ話せる話題、本音。
普段の生活では得られない、安心感や充実感があります。
その「場所」が、だれかの自宅でも、カフェでも、
旅先でも、快適さや趣の差こそあれ、そこに生まれる
共通した雰囲気や可能性──それが「場」です。
「場」とは、建物というより、むしろ人間関係です。
*
僕は仕事柄、様々な「場づくり」の現場を訪問します。
<「場」先行パターン>
場所はないけれど、公共施設などで活動の場を持っている
<「場所」先行パターン>
場はないけれど、自前の施設や店などの場所を持っている
意外に思われるかもしれませんが、難しいのは後者です、
なにかの関係で、場所だけが先にあるパターンです。
場所だけをみて、「この場所いいな~!」と思えるような、
そんな素敵な場所であればあるほど、
場所に惑わされてしまう可能性が高まります。
「場所」ではなく、「場」をみてください。
*
場所が持てないと嘆く前に、場づくりしてみましょう。
いい場ができると、チカラが湧いてきます。
ただ、活動の性質によって、場所が必要な場合もあります。
例えばシェルター的な活動は、いくらそこの場がよくても、
やはり常設の施設=場所が必要です。
それでもやはり、大切にすべきなのは、目の前の場です。
高コストな「場所」の問題にはすぐに取り組めなくても、
よい「場」にするための努力は、すぐに始められます。
(初出:メルマガ「場づくりのチカラ」2013/11/25号)
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