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未来の仲間のみつけ方 〜団体と市民はどう出会うのか?〜
八王子市のオトパこと「お父さんお帰りなさいパーティ」で講演してきました。
「未来の仲間の見つけ方」というなかなか素敵なタイトルですが、
団体と市民の両者がいる場で、
- 市民からみた団体のみつけ方
- 団体からみた市民のみつけ方
をまとめて話すという、なかなか斬新な企画でした。
イベントそのものは、工夫が満載の楽しい雰囲気で、とても盛り上がっていました。
以下、そのときの講演のダイジェスト版です。
市民はどうやって活動する団体をみつければいいのか?
「お父さんお帰りなさいパーティ」というネーミングから、このイベントが、
「定年になり地域に戻る男性」をターゲットにしていることを示している。
そのためのイベントを、市役所と中間支援のNPOが協働して開催するくらいだから、
これは「ふつうにしているとうまくいかない」わけである。
企業の文化をそのまま市民活動に持ち込むからだダメなのだとか、
男性はそもそも市民活動に向いていないのだとか、
いろいろと言われているのだが、
僕は、団体側に新しい人を迎え入れる施策や体制がないことが、
この問題の根本原因なのではないかと考えている。
「ろくな人が寄って来ない」のではなく、「ろくな人が寄って来ないような団体」なのだ。
団体はどうやって、市民=仲間をみつければいいのか?
多くの市民活動団体は、仲間を迎え入れるための施策を持っていない。
狭い世界での小さな成功体験を捨て、ビジネスの世界に学ぶべきだ。
NPOや市民活動団体のなかには、初対面なのに、
「入会しませんか?」
と呼びかけてしまう人がけっこういる。こんなことで仲間がみつかるだろうか。
これでは、路上でいきなり
「買いませんか?」
と声をかけるのといっしょだ。ビジネスの世界では、そんな人は生き残れない。
商品が(団体の活動が)魅力的でも、これでは買って(仲間になって)もらえない。
仲間になってもらうためのステップを用意しよう
ふたつの図をみてほしい。
まず「図1」だが、これはイベントなどでブースの前まで来てくれた人に対して、どのようにアプローチしていけばいいのかを示している。
なんのブースなのか一見してわかるようにしてあるのに、前を素通りしていく人は、興味がない人たち。そういう人たちのことは、気にしなくていい。こういう人に「入りませんか?」なんてがつがつ声をかけるから、市民活動団体はばかにされるのだ。また、「まったく興味がない人にこそ知ってほしい」なんて言う人もいるが、それができれば商品も好きなだけ売れる。
興味を持ってくれた人のために、予め「受け皿となる企画」を用意しておき、そこに来てもらう。お客気分で気楽に参加できる企画が望ましい(企画をやれるような団体でないならば、配信許可をもらってメールアドレスをもらうだけでもいい)。要するに、見込み客になってもらうのだ。
そして、その次のステップ、さらにその次…と階段を登ってもらうのだ。
一方、図2はどうだろう。
ブースの前まで来た人、そこを通過しようとする人に
「入会しませんか!?」
と声をかけるというのか、こういう行為なのだ。
この断崖絶壁を、登ってきてください! という声かけ。これはあまりにも不親切であることがわかるだろう。
階段を登るごとに、人数をどんどん減らしていく
こんなにステップをつくったら、せっかく出会った人がどんどん減ってしまうと危惧する人もいるだろう。
でも、じつはそれでいいのだ。
合わない団体で活動するのは、団体にとっても、個人にとっても不幸なことだ。
無理矢理に「仲間」として迎えても、運営は困難だし、活動は混乱してもらう。
こうしたステップを用意することで、一発勝負では伝えられない、団体や活動の多面的な魅力を少しずつ伝えることができるし、同時に、じっくり選ぶことで、「入会後にもめる」のではなく「入会前に見極める」ということができるようになる。
せっかく活動に魅力があっても、絶壁を登る覚悟をしないとそれが伝わらない。
これは、団体にとっても、活動に興味を持つ市民にとっても不幸なことだ。
これを是正するためには、団体が「仲間を迎え入れる施策」をきちんと作る以外に方法はない。
「出会いの場」を設定するだけでは支援は不十分
行政や中間支援組織の多くは、「出会いの場さえあればいい」と短絡的に考えている。
あるいは、それで「意味のあることをした」と思い込もうとしている。
だが、未来の仲間を見つけるためには、それでは足りない。
もっと、団体が「仲間を迎え入れる施策」を作れるよう支援すべきなのだ。
行政は「もっと団体のレベルアップをしてください」とは言いにくいだろう。
中間支援組織も、行政っぽいところが多いから、団体にはっきりものを言わない。
それが結果的に、団体や市民の不利益になっている。
名ばかりの「市民協働」にならないために、なにが必要か。
現実を直視した上で考えたい。
☆場づくりについて学びたい人へ
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