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根っこクラス2月ワーク風景

外へ外へ向かう意識と、知らないうちに緊張する筋肉(根っこクラス2月レポート)

「わたしの根っこをみつける」というテーマで集まったのは定員いっぱいの20名。
今回は、午前中に取り組んだ「からだほぐし(全身の脱力)」について書こう。

からだほぐしはマッサージではなく「全身の脱力」がテーマ

「からだほぐし」というと、マッサージのようにコリをほぐすことがイメージされるが、
ここで取り組むには「筋肉の緊張を緩めてみる」ということだ。

そして、その課程で「知らない間に入る緊張に気づく」こと。

右の写真は別の機会に撮影されたものだが、ペアになって、0402
一人がねそべり脱力を試みて、もう一人がそれを手伝う。

肘の力が抜けているかどうかは、自分は寝そべった状態で、
だれかに肘を床から垂直に立ててもらって、ぱっと手を離してもらえばわかる。

脱力していれば、重力のまま、肘はばったりと床に力なく倒れる。
力が入っていれば、直立したままか、ぎこちなく床に着いていく。

右肘が終わって、次は左肘…と思ったとき、あら不思議…。

まだ持ち上げていないのに、寝そべっている人の肘が持ち上がってくる。
脱力していなくてはいけないのに、無意識に「どうぞ」と持ち上げてしまうのだ。
(美容室で頭を洗ってもらうときに、首に力を入れたりするが、あんな感じだ。)

このとき、講師の三好哲司さんが言った。

「相手の動きを先取りして動いているんだね」

言われた人は、ぷっと吹き出して、笑ってしまった。
自分では、肘を持ち上げているという自覚がまったくなかったからだ。

外へ外へ向かう意識と、知らないうちに緊張する筋肉

ぷっと笑った若い女性の職業は、保育士だと言う。

「わたしは、いつも小さな小さな子どもたちの命を前に、それを守ろうと緊張している。
異変があっても、言葉では伝えられない。だから注意して、先へ先へと想像している。
がんばってきたな〜と思うし、休んでいいときはいいんだよと、からだに言いたいです」

彼女は笑顔で語った。僕はこういう受け取り方を素敵だと思った。

相手が小さな子どもでなくても、周囲の期待に応えようと、
注意力を外へ外へと向けている人は、すごく多い。

いわゆる「空気を読む」というのはそういうことだ。

周りをよく見て、そこでの期待に応えられるのは、能力のひとつだ。
問題は、そのオンとオフを、自分で制御できるかどうか。

なぜいつも疲れてしまうのか?

外に外に注意を向け、それに合わせよう合わせようとしていると、疲れてしまう。

そりゃそうだよと思われるかもしれないが、無意識に緊張する筋肉に気づくと、
その疲れの正体のひとつが、力を入れ続けるため筋肉をつかっていることだと分かる。

精神的にでもなく、性格的にでもなく、
リアルに、具体的に、筋肉を使っているのだ。

これでは疲れてしまっても、無理はない。

また、「弊害」は疲れに留まらない。

ある瞬間に活動中の筋肉は、次の瞬間には活動できない。
弛緩(“しかん”とはゆるむこと、緊張の反対)している筋肉だけが、
その次の瞬間の活動できる。

つまり、緊張状態だと、対応できないことがたくさんあるのだ。

イチローのバッティングは、インパクトの瞬間まで、
多くの筋肉を弛緩させている(ように見える)。

前提として休んでいる筋肉が多く、その筋肉を動員する技術があると、
最高のパフォーマンスを出すことができる。

疲れだけでなく、ぎこちなさの正体も、日常的な緊張にあるのだ。

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